観測 035
画を押すと、点が減ります。四万・六百・四十・一つ、と四段あります。
数が減っても走っている式は同じです。消えるのは形だけです。
「聴く」は、同じ関係の束を、目ではなく耳に投影したものです。
音を足したのではなく、同じ式を別の感覚へ出しています。
大きな一頭が、ゆっくり泳いでいます。
体は描かれていません。
打たれているのは、背に並ぶ斑と、五本の隆起線だけです。
斑の並びは、一頭ごとに違います。
人はこの模様で、海の中の一頭一頭を見分けます。
この作品の式に指紋があるように、この一頭には斑があります。
頭で生まれた撓みは、ゆっくり尾へ抜けます。
尾鰭はいちばん遅れて、いちばん大きく振れます。
ひと振りに二十秒かかります。
点を減らすと、斑の並びはしばらく残ります。
模様は点の密度ではなく、点の間隔に載っているからです。
四十点では、並びが読めなくなります。
一点は、体のどこか一つの斑だった点の、通り道になります。
大きさは、どの一点にも入っていません。
この式の指紋
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いつ走らせても、誰が走らせても、同じ姿で現れます。
乱数も、時計も、環境も使っていません。
上のボタンで式をそのまま持ち出せます。手元で数え直すなら:
pbpaste > f.txt && printf %s "$(cat f.txt)" | shasum -a 256
持ち帰って走らせてください。乱数も時計も使っていないので、あなたの画面でも同じ一体が現れます。式は誰のものでもありません。