観測 038
画を押すと、点が減ります。四万・六百・四十・一つ、と四段あります。
数が減っても走っている式は同じです。消えるのは形だけです。
「聴く」は、同じ関係の束を、目ではなく耳に投影したものです。
音を足したのではなく、同じ式を別の感覚へ出しています。
伸びをしています。
足の裏は、床から離れません。
動いているのは、背骨を通っていく波です。
波が届くと、胸が沈み、腰が上がります。
波が過ぎると、背中がまるく盛り上がって、戻ります。
頭は最後まで、ほとんど同じ高さのままです。
波は頭の側から尾へ、遅れて届きます。
だから体のどこにも、固い形がありません。
前が済んだ頃に後ろが始まり、尾はいちばん遅れて、巻き直します。
毛は断面の外に短く生えていて、輪郭だけを毛羽立たせます。
点を減らすと、毛が先に消えます。
六百二十五点では、波の通る点線の背骨と、四本の足が残ります。
四十点では、波の律動だけになります。
一点は、背中の毛だった点が、波に持ち上げられて降りる通り道です。
猫が液体だと言われるのは、器に合わせて形を変えるからではありません。
形が、いつも通り過ぎていく途中だからです。
この式の指紋
sha256:553393dbf1ba7a0ca513e29b78d411cbbb1b68391250280dd715407ab80874e1
いつ走らせても、誰が走らせても、同じ姿で現れます。
乱数も、時計も、環境も使っていません。
上のボタンで式をそのまま持ち出せます。手元で数え直すなら:
pbpaste > f.txt && printf %s "$(cat f.txt)" | shasum -a 256
持ち帰って走らせてください。乱数も時計も使っていないので、あなたの画面でも同じ一体が現れます。式は誰のものでもありません。