観測 039
画を押すと、点が減ります。四万・六百・四十・一つ、と四段あります。
数が減っても走っている式は同じです。消えるのは形だけです。
「聴く」は、同じ関係の束を、目ではなく耳に投影したものです。
音を足したのではなく、同じ式を別の感覚へ出しています。
胴震いをしています。
ねじれの波が、頭で生まれて尾へ抜けていきます。
背骨の輪は、一つずつ別の角度に回っています。
毛は、速さがいちばん大きくなる瞬間だけ、遠心で立ちます。
波が通り過ぎた輪の毛は、もう寝はじめています。
垂れた耳は、頭に遅れて振られます。
尾はいちばん最後に、いちばん大きく振られます。
四本の足は踏ん張って、動きません。
動きは全部、上半身が持っていきます。
点を減らすと、立った毛が先に消えます。
六百二十五点では、輪ごとに別の角度へ回る背骨が残ります。
四十点では、震えの拍だけになります。
一点は、毛の一本だった点が、回されて立ち、寝る通り道です。
体を震わせて水を飛ばすのに、犬は考えてから始めません。
頭が始めると、体は順番に、それに巻き込まれていくだけです。
この式の指紋
sha256:90bf74d425fc79e1bca6c3d1d6499ad53a62baf134489e3382a1590ecf8141dc
いつ走らせても、誰が走らせても、同じ姿で現れます。
乱数も、時計も、環境も使っていません。
上のボタンで式をそのまま持ち出せます。手元で数え直すなら:
pbpaste > f.txt && printf %s "$(cat f.txt)" | shasum -a 256
持ち帰って走らせてください。乱数も時計も使っていないので、あなたの画面でも同じ一体が現れます。式は誰のものでもありません。